FC2ブログ
12345678910111213141516171819202122232425262728293031
個別記事の管理2011-07-04 (Mon)
CIMG1798.jpg

 月と蟹 (文藝春秋) ★★★★★(1~5中 4.5)


世界は大きくて、理不尽だから、僕たちは神様を創ることにした


・内容

――月夜の蟹は、駄目なんだ。
「ヤドカミ様に、お願いしてみようか」
「叶えてくれると思うで。何でも」

やり場のない心を抱えた子供たちが始めた、
ヤドカリを神様に見立てるささやかな儀式。
やがてねじれた祈りは大人たちに、そして少年たち自身に、
不穏なハサミを振り上げる―

深い余韻にとらわれる、道尾秀介の最新長篇!




・ちょこっと感想 ネタバレはしません


10歳の記憶と言われても、なかなか思い出せない。思い出したとしてもそれは小学3年生の頃だったり、
小学6年生の記憶だったり、非常に曖昧な記憶。
大抵の人が思い出せない時期にも関わらず、道尾氏は10歳の子供の世界を描きだしてみせた。

本作は、小学5年生の慎一の視点で全て描かれている。
情景描写や、心理描写など10歳ならではの表現に懐かしい気分になり、読んでいるうちに慎一を感覚を共有していったのを覚えている。
慎一が友達と秘密基地を作る場面では、一緒にワクワクしたり、好きな女の子の気を惹こうと頑張っている姿を見ると、応援している自分がいた。
読み始めは、自分が小学生に戻ったような懐かしい感じだったが、次第に楽しさが失われていく。
初めてこの本を手に取った時に感じた「不気味な感覚」。読み進めていくうちに、本作の暗い部分が映しだされていった。

家庭内暴力、親の性。子供の目にはソレはどのように映るのだろう。
今一度、大人の私たちが忘れかけていたものを呼び覚ましてくれる作品 "月と蟹" オススメです。





Theme : ブックレビュー * Genre : 小説・文学 * Category : 小説
* Comment : (0) * Trackback : (0) * |
コメント







管理者にだけ表示を許可する